スウェーデンボルグの「脳」の先駆的研究

 彼は多くの本で解剖学と生理学の研究をし、たくさんの本を出版した。以下、その図版である。

①・③は『脳』に収められた大脳と神経の図。②・④は血管の図である。非常に細密に描かれているのが分かる。




 スウェーデンボルグの研究には史上初の発見が多い。そのうち4つを説明する。

①脳と肺が同調して機能する事実の発見

②脳脊髄液の機能を推理

③大脳皮質機能の局在性の発見

④右脳・左脳の機能の差異の指摘

 ③については、彼は『脳』の中でこう述べている。「大脳の最も高い葉(よう)が足の筋肉を、その最も低い葉が顔の筋肉を支配している」と。

 カナダの神経外科学者のペン・フィールドが20世紀になってこれを図1と図2のように図解。スウェーデンボルグの言説と比較すればその一致は一目瞭然である。

岩波新書「心とは何か」より)
(岩波新書「心とは何か」より)
(講談社「こころとは何か」より)
(講談社「こころとは何か」より)

 ④については、20世紀半ばにアメリカの神経生物学者ロジャー・W・スペリーが、脳梁の切断実験によって実証した。これにより1981年にノーベル生理学・医学賞を受けている。

 スウェーデンボルグは霊的体験の中で、「人間の愛や情愛に関するvoluntasに属する事柄は右脳に、思考や分析に関するintellectusに属する事柄は左脳に、(照応によって)流入する」と宗教著作の中で述べている。