第四章 死後の人間・霊2

 スウェーデンボルグは霊的感覚が開かれて以来、何度も繰り返された体験によって、霊魂に対する認識を変更しなければならなくなった。彼にとって「霊魂」はもはや単なる推理の帰結でも幻想的なものでもなくなり、心の奥深い領域で現実に視覚し、かつ交わる対象として、「霊」としてつまり立体的な形として立ち現れる実体となった。

霊魂は内的な人間そのもの

 霊とは霊的な心身をそなえた人間そのものである。霊の内部には、霊的な心にとっても意識されない本当の意味での霊魂が独座している。この霊の生き生きとした生命感をスウェーデンボルグは次のように描写している。

 

 自然界(外界)の事物が影響を及ぼす場合とまったく同じような、すべての感覚で知覚できるような作用を、霊たちは私の肉体に及ぼした。彼らは何度も私の肉体を乱暴に扱っては、激しい苦痛を与えた。また、非情なまでにはっきりと熱や冷感を引き起こし、その熱や冷感をたとえるなら風のように吹き付けたのである。私がこうした風を明確に感じただけではなく、その風はろうそくの炎をさえ点滅させたのだ。 

   このように、「霊は有機的な本来の性質」であって、単に意識ではない。したがって、ある者たちはいつも霊を主体である本質からぼやかして捉えている。そんな理由から、人間は霊についてどんな概念も持てなくなってしまう。

   そのため人々は、霊とは肉体の物質的な部分に連結している、人間に内包している真の本質であることを知らない。というのも人間は、この物質的な世界に住んでいる限り、その物質である肉体から分離されえないから知る由もないのである。